本日、「影響力の武器」を読了した。
人の口車に載せられて欲しくもないものをつい買ってしまったり、やらなくてもいい頼みごとを聞いてしまったりした経験は1度はあるのではないだろうか。
本書は社会心理学の分野では有名な本なのではないかと思う。内容的には題材が身近なだけにとても面白かった。読むのに時間がかかったのは単に無駄な残業が多くてまとまった時間が取れなかっただけである。
この本を読もうと思ったきっかけ
有名で実績のある本で面白そうな社会心理学を一度学んでみたいと思ったから
この本から得たいこと
基本的な社会心理学の知識とその日常生活での応用方法
読んだ後の想定される状態
仕事や実生活で使える知識を身に着け、騙されないように相手が使うテクニックを理解する。
概略
本書では人間が長い歴史の中で身に着けてきた判断を自動的に効率的に行うための習性を利用して自分の利益のために使用されるテクニック「影響力の武器」とその根底にある6つの原理について実験事実やそれに対する防衛法を交えて紹介されている。
その内容は以下のとおりである。
- 返報性 :受けた恩恵に対してお返ししなければならない
- 一貫性 :ひとたび決めたら一貫した行動をとらなければならない
- 社会的証明 :ある行動をしている人が多いほどそれが正しい行動だと思う
- 好意 :好意を持っている相手ほど頼みごとを聞きやすい
- 権威 :権威のある相手の言ったことには従わざるを得ない
- 希少性 :珍しいものほど価値がある
どれも人類が生き残る上で、素早い判断が求められる時や社会的に生活するうえで効率よく生き残るために必要な習性だが、これらを悪用すれば自分の思うとおりに他人を支配すること利用されることもある。
感想
読んでみるとどれも名前は知らなくても多かれ少なかれ一度は使われた経験のあるテクニックだと思う。
例えば「赤信号みんなで渡れば怖くない」などと言われるのは社会的証明に該当するだろうし、閉店セールをずっとやっている店はもう使えなくなりますよという希少性の原理に訴えかけたものである。
状況によってはえげつない騙され方をする例も本の中では紹介されている。実例とそれを裏付ける実験事実それに加えてそれらのテクニックを使われた時の対処法まで書かれており、網羅的に知識を身に着けられるいい本だと思う。また、各省の最後に理解度チェックの設問と内容を理解していないと答えられないような問(クリティカルシンキング)があり、知識の定着にも配慮された構成になっている。
一度読んでおくといい本だと思う。
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