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【過去問解説】令和3年7月の1陸技試験問題を解いてみた(R3.7 2回目 無線工学A A-11~A-15)

令和3年7月の1陸技の試験2回目の無線工学AのA-11~15の問題について解説します。

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R.3.7 無線工学A(2回目) A-11

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月2回目 無線工学A A-11

GPSの誤差補正に関する問題です。
誤った選択肢を選ぶ問題ですが、一応全ての選択肢を見ておきましょう。

1

この選択肢が誤りです。

電離層遅延は電子密度に比例し、周波数の2乗に反比例します。

スポラディックE層やF層の電子密度は大きいのでこれらの層からの電離層遅延への影響は大きいので前半は正しいです。

電離層遅延は2乗に反比例するので、周波数に比例という記述が誤りです。

2

記述の通りで、対流圏遅延は周波数に依存しないため、2周波以上の測定で軽減することはできません。

3

仰角が低い衛星からの電波はその経路にある構造物などの影響でマルチパスの影響を受けやすいです。
DGPSでは位置が正確な基準局と移動局を同時に測定して補正する手法です。
マルチパスの経路は基準局と移動局で異なるので、マルチパスによる影響をDGPSで補正することはできません。

4

基準局と移動局で同じ信号を受信するので、同じ衛星のクロック誤差はこの2点を比較することで補正できます。

5

衛星軌道誤差はクロック誤差と同様、衛星に起因するため、DGPSで補正できます。
基準局と移動局の距離が遠いほど衛星軌道誤差に違いが出るので補正精度が低下します。

以上から答えは1です。

R.3.7 無線工学A(2回目) A-12

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月2回目 無線工学A A-12

直接拡散方式の原理に関する問題です。

A

直接拡散方式では送信側で拡散処理された信号に同じ拡散符号をかけて積分する(内積を取る)ことで逆拡散処理をします。
CDMAでは同時に使用する拡散符号同士の直交性がよい(内積が0)ほど信号間の区別がしやすくなります。

そのため、Aには直交性が入ります。

B

符号同期を確立させるためには自己相関特性が良い(時刻によって拡散符号に相関がない)ほど同期タイミングを区別できます。

そのため、Bには自己相関特性が入ります。

C,D

C,DにはM系列とGold系列が入ります。

文からCに比べてDでは符号系列数を増大させるとなっているため、CにはM系列DにはGold系列が入ります。

以上から答えは1です。

R.3.7 無線工学A(2回目) A-13

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月2回目 無線工学A A-13

ドプラVOR(DVOR)の原理に関する問題です。

ドプラVORでは、円中心の固定アンテナから30[Hz]で振幅変調された基準位相信号と円周上を周回するアンテナから放射される可変位相信号の位相を比較することにより航空機が方角を決定するものです。
円周上のアンテナから放射される電波はドプラ効果により、航空機では30[Hz]で周波数変調された可変位相信号として受信されます。

A

30[Hz]の周波数変調になるためにはアンテナは30[Hz](1秒間に30周)で周回しなければなりません。
[rpm]は1分間の回転数なのでAには30[周]×60[秒]=1800[rpm]が入ります。

B

CVORと合わせるために円の直径は搬送波の約5波長分にします。

そのため、Bには直径2rが入ります。

C

CVORでは基準位相信号が周波数変調、可変位相信号が振幅変調です。
これらの信号の関係がDVORと逆なので回転方向は逆方向になります。

そのため、Cには逆方向が入ります。

以上から答えは3です。

R.3.7 無線工学A(2回目) A-14

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月2回目 無線工学A A-14

デジタル移動体通信の変調方式に関する問題です。

A

GMSKはガウスフィルタによりMSKを帯域制限した変調方式です。
GMSKのGはガウスのGです。

そのため、Aにはガウスが入ります。

B

MSKは変調指数0.5のFSKです。

そのため、Bには0.5が入ります。

C

$\pi/4$シフトQPSKではQPSKの位相を$\pi/4$ずらしたものです。

そのため、Cには位相偏移が入ります

以上から、答えは5です。

R.3.7 無線工学A(2回目) A-15

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月2回目 無線工学A A-15

誤り訂正符号(問題はハミング符号)に関する問題です。

A

問題文ではハミング(7,4)符号なので、入力4ビット、誤り訂正符号3ビットの合計7ビットの符号です。

上述の通り、Aには4ビットが入ります。

B

$P(x)$は$x^3F(x)$を生成多項式$G(x)$で割った剰余にします。
こうすることで$x^3F(x)+P(x)$は$G(x)$で割り切れます。

そのため、Bには剰余が入ります。

C

ハミング(7,4)符号は1ビットが訂正できる誤り訂正符号です。

そのため、Cには1が入ります。

以上から答えは3です。

まとめ

今回は令和3年7月1回目の1陸技の無線工学AのA-11~15を解いてみました。
過去問が多く出題される1陸技の試験ですが、ここ最近は1回の試験で2回分の過去問が出るので過去問もはかどりますね。
1陸技の申込期間もまもなく終了します。
受験する方はそろそろエンジンを掛けていきたい時期ですね。
1陸技を目指す方は頑張っていきましょう。

勉強法

第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書

参考文献

電磁気学をちゃんと学びたい人向け

上の難易度が高い人

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