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【過去問解説】令和3年12月の1アマ試験問題を解いてみた(R3.12 無線工学 A-11~A-15)

令和3年7月の1陸技の試験2回目の無線工学AのA-11~15の問題について解説します。

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R.3.12 無線工学 A-11

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級アマチュア無線技士 R3年12月 無線工学A-11

電信の電鍵操作回路に関する問題です。

A

電鍵の操作による立ち上がりは急峻なので「コツッ、コツッ」というノイズが発生します。
これはキークリックと呼ばれています。

急峻な変動には高い周波数成分が多く含まれているので、コンデンサを通してグランド側に流します。
そのため、キークリックフィルタは抵抗とコンデンサを直列に接続した回路になります。

Aにはコンデンサが入ります。

B

間接的に回路を断続するリレーはキーイングリレーと呼ばれています。

そのため、Bにはキーイングリレーが入ります。

C

アンテナの切替や受信機の動作停止などを行うリレーをブレークインリレー酔いいます。

そのため、Cにはブレークインが入ります。

以上から答えは5です。

R.3.12 無線工学 A-12

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級アマチュア無線技士 R3年12月 無線工学A-12

AMの変調波と電力に関する問題です。

AMの変調信号は搬送波の成分とその上下に対象な側波帯の周波数成分を持ちます。

搬送波の電力を$P_c$、変調度を$m$とすると、変調信号の電力$P_m$は
\[
P_m=P_c+\frac{m^2}{4}P_c+\frac{m^2}{4}P_c \\
=\left( 1+\frac{m^2}{2}\right)P_c
\]
です。

上記から$m=\sqrt{2\left( \frac{P_m}{P_c}-1\right)}$なので、与えられた搬送波と被変調波の電力を代入すれば、$m=0.9$となります。

そのため、答えは4です。

R.3.12 無線工学 A-13

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級アマチュア無線技士 R3年12月 無線工学A-13

位相同期ループ(PLL)の原理に関する問題です。

PLLでは基準信号とVCOの出力を比較して同じ位相になるようにVCOを制御して周波数が安定した信号を出力します。
これを式の起こすと
\[
\frac{f_0}{NM_2}=\frac{10}{M_1}
\]
となります。

$f_0$以外は既知の値なので$f_0=\frac{NM_2}{M_1}\times 10=400[\rm{MHz}]$となります。

以上から答えは3です。

R.3.12 無線工学 A-14

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級アマチュア無線技士 R3年12月 無線工学A-14

図の共振回路の等価回路は$L_2$と$C_v$、そして、表遊容量$C_0=30[\rm{pF}]$が並列に接続された回路です。

このLC並列回路の共振周波数が受信周波数になります。
この問題では500[kHz]で共振する$L_2$を求める問題に帰着します。

共振周波数を$f$とすると、
\[
2\pi f=\frac{1}{\sqrt{L_2(C_v+C_0)}}
\]
が成り立ちます。

$L_2$について解くと$L_2=\frac{1}{4\pi^2f^2(C_v+C_0)}=200[\rm{\mu H}]$となります。

以上から、答えは2です。

R.3.12 無線工学 A-15

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級アマチュア無線技士 R3年12月 無線工学A-15

混変調に関する問題です。
混変調は強力な不要波を受信した時に、希望波がその不要波により変調されてしまう減少です。

一応全ての選択肢を見てみましょう。

1

これは増幅器が発信しているのを記載しているだけなのでこの選択肢は誤りです。

2

これは相互変調に関する記述なのでこの選択肢は誤りです。

3

これは感度抑圧効果に関する記述なのでこの選択肢は誤りです。
感度抑圧効果は妨害波によって増幅器が飽和することによって希望波の増幅度が低下することが原因です。

4

これが混変調に関する記述なのでこの選択肢が正しいです
変調された強力な信号により増幅器が飽和して非線形な動作をすることにより不要波により希望波が変調されます。

これは増幅回路の歪に関する記述なのでこの選択肢は誤りです。

以上から答えは4です。

まとめ

最近、難化傾向と言われる1アマの問題を解いてみました。
1陸技と比べると基本的な問題が出ますが、たしかに私が受けた10年前より難しくなっている気もします。
そろそろアマチュア無線家としても復活していきたいところです。

勉強法

第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書

参考文献

電磁気学をちゃんと学びたい人向け

上の難易度が高い人

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