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【過去問解説】令和4年7月の1陸技試験問題を解いてみた(R4.7 1回目 無線工学B A-6~A-10)

1陸技

令和4年7月の1陸技の試験1回目の無線工学BのA-6~10の問題について解説します。

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R.4.7 無線工学B(1回目) A-6

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-6

電圧反射係数、電圧透過係数をそれぞれ$\Gamma_V$、$T_V$とすると
\[
T_V=1+\Gamma_V
\]
となります。

電圧反射係数を求めると
\[
\Gamma_V=\frac{Z_R-Z_0}{Z_R+Z_0}=\frac{-60+j30}{90+j30} \\
=-0.5+j0.5
\]

この結果を使って
\[
T_V=0.5+j0.5
\]
となります。

以上から答えは2です。

R.4.7 無線工学B(1回目) A-7

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-7

平衡二線式給電線と負荷抵抗の間に給電線を挿入するインピーダンス整合に関する問題です。

平衡二線式給電線の特性インピーダンスは純抵抗なので、虚部=0です。

整合用給電線と負荷の合成インピーダンスは問題で与えられています。
平衡二線式給電線のインピーダンス$Z_i$と$Z_{ab}$が整合しているので$Z_{ab}$も純抵抗である必要があります。

$Z_{ab}$が純抵抗となる条件は
\[
\sin \left(\frac{2\pi l}{\lambda}\right)=0 \\
\cos \left(\frac{2\pi l}{\lambda}\right)=0 \\
\]

単純に虚部がゼロとなる$\sin \left(\frac{2\pi l}{\lambda}\right)=0$を考えると$Z_{ab}=R$となります。

問題文から$Z_i \neq R$なので、$\cos \left(\frac{2\pi l}{\lambda}\right)=0$($j$が約分されて実部のみが残る)を満たす$Z_0$と$l$を求めればよいということになります。

まず、簡単な$Z_0$を求めましょう。
$\cos \left(\frac{2\pi l}{\lambda}\right)=0$なので、$Z_i=\frac{Z_0^2}{R}$なので、$Z_0=\sqrt{RZ_i}$です。

$\cos \left(\frac{2\pi l}{\lambda}\right)=0$のとき、
\[
\frac{2\pi l}{\lambda}=\frac{\pi}{2}+n\pi
\]
なので、これを$l$について解くと
\[
l=\frac{\lambda}{4}+\frac{n\lambda}{2}
\]
となります。

以上から答えは1です。

R.4.7 無線工学B(1回目) A-8

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-8

同軸線路の特性に関して、誤った選択肢を選ぶ問題です。

誤った選択肢は3です。

同軸線路の特性インピーダンスは
\[
Z=\frac{138}{\sqrt{\epsilon_r}}\log \frac{D}{d}
\]
です。
ここで、$D$は外部導体の内径、dは内部導体の直径です。

特性インピーダンスは$\frac{1}{\sqrt{\epsilon_r}}$に比例するので、誘電率$\epsilon_r$の誘電体が充填されているときは特性インピーダンスは$\frac{1}{\sqrt{\epsilon_r}}$倍となります。

そのため、3は$\frac{1}{\epsilon_r}$倍ではなく、$\frac{1}{\sqrt{\epsilon_r}}$倍が正しい記述となります。

以上から答えは3です。

R.4.7 無線工学B(1回目) A-9

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-9

導波管に金属片を挿入した時の動作に関する問題です。
導波管は少しわかりにくいところもありますが、頻出な問題なのでどのように金属片を挿入するとどうなるかは覚えておいたほうがいいでしょう。

A

導波管に挿入された薄い金属片や金属棒は平行二線式給電線にリアクタンス素子を並列に挿入するのと同様に働きます。

そのため、Aには「並列」が入ります。

B

$\rm{TE_{10}}$モードに対して、金属片を長辺の上下に挿入するとキャパシタンスを挿入したように動作します。

$\rm{TE_{10}}$モードでは電界が長辺に対して垂直方向を向くので長辺の導波管を平行二線式給電線と考えると金属片部分ではコンデンサを挿入したのと同様の電界分布になると覚えるのがよいでしょう。

そのため、Bには「キャパシタンス」が入ります。

C

短辺の左右に金属片を挿入するとインダクタンスとして動作します。

そのため、Cには「インダクタンス」が入ります。

D

導波管に金属棒を挿入すると1/4波長垂直接地アンテナと同様の動作をします。
そのため、金属棒の長さが1/4波長を境に動作がキャパシタンスとインダクタンスとで変化します。

Dには「$\lambda_g/4$」が入ります。

以上から答えは3です。

R.4.7 無線工学B(1回目) A-10

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-10

アンテナの特徴に関して誤った選択肢を選ぶ問題です。

問題文の中で誤った選択肢は3です。

3は対数周期ダイポールアンテナに関する記述です。
対数周期ダイポールアンテナは隣り合うアンテナ素子ごとに逆位相で給電します。

問題文では同位相となっているのでここが誤りです。

以上から答えは3です。

まとめ

無線工学Bでは計算問題も多く出題されます。
計算自体は難しくなくてもうっかりミスが発生しやすい問題も多いです。
時間に余裕をもって見直しもできるようにしておきましょう。

勉強法

第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書

参考文献

電磁気学をちゃんと学びたい人向け

上の難易度が高い人

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