【過去問解説】令和3年7月の1陸技試験問題を解いてみた(R3.7 1回目 無線工学B A-11~A-15)

 

令和3年7月の1陸技の試験、無線工学BのA-11~15の問題について解説します。

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R.3.7 無線工学B(1回目) A-11

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月1回目 無線工学B A-11

フェーズドアレーアンテナの位相走査に関する問題です。知識というよりは原理を理解しているかが問われる問題です。

A

設定可能な最小位相角が$2\pi/2^n$[rad]なので、誤差は$\pm \pi/2^n$[rad]になります。

そのため、Aに入るのは$\pm \pi/2^n$です。

B

量子化位相誤差が開口分布に周期的に生じると意図しない方向に位相が揃うのでサイドローブが大きくなります。

そのため、Bに入るのはサイドローブです。

C

量子化位相誤差を小さくすればいいのでビット数$n$を多くすればサイドローブを低減できます。 そのため、Cに入るのは多くです。

以上から答えは2です。

R.3.7 無線工学B(1回目) A-12

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月1回目 無線工学B A-12

スロットアレーアンテナに関する問題です。

A

電界はz軸に平行で$\lambda_g/2$ごとにその方向は反転します。

そのためAに入るのは$\lambda_g/2$です。

B

管壁を流れる電流にとってスロットはコンデンサのように働きます。

スロットには図のような電界が発生します。

スロットアンテナ模式図

ここからわかるように電界はスロットに垂直です。

そのため、Bに入るのは電界です。

C

電界をy成分とz成分に分解したベクトルを赤色で示しました。 z成分はスロットごとに反対向きになっているのに対してy成分は同じ向きになっています。

そのため、Cに入るのはz成分です

D

電界はy成分だけが残ります。 y軸は水平なので、水平偏波となります。 そのため、Dに入るのは水平偏波です。

以上から答えは5です。

R.3.7 無線工学B(1回目) A-13

反射板付き双ループアンテナに関する問題です。

A

ループアンテナは円周が1波長となるので、直径は$1/\pi=0.32$波長となります。

そのため、Aに入るのは0.32です。

B

双ループアンテナは4素子のダイポールアレーと等価です。

そのため、Bに入るのは反射板付き4ダイポールアンテナです

C

双ループアンテナは4素子のダイポールアレーと等価なので基本的には8の字指向性です。 この問題では反射板がついているため、8の字の一方がなくなり、単一指向性になります。 そのためCに入るのは単一指向性です。

以上から答えは1です。

R.3.7 無線工学B(1回目) A-14

k形フェージングに関する問題です。

大気による屈折で電波の伝搬経路は直線にはなりません。そこで、地球の半径をk倍して、伝播経路が直線になったものとして扱うための係数kが等価地球半径係数です。 kは一般に標準大気で計算されその値は4/3です。 地球の大気は常に標準大気と同じ状態ではないため、kの値が変動します。 これに伴うフェージングがk形フェージングです。

明らかに間違った選択肢がありますが、誤っているもの(正しいもの)を選ぶ問題は時間の許す限り、消去法で解くのが確実です。

1

上記の説明どおりで正しい

2

回折k形フェージングは伝播経路にある山岳などの障害物(クリアランスが不十分な状態)の見かけの高さが高くなるため、回折損が大きくなります。 そのためこの記述は正しい。

3

一般に回折k形フェージングの方が干渉k形フェージングより周期が長いです。 そのため、この選択肢が誤り。

4

干渉k形フェージングの説明になっており正しい。

5

干渉k形フェージングは反射点が大地のときのほうが海面の時より電界強度の変化が小さいため正しい。

以上から答えは3です。

R.3.7 無線工学B(1回目) A-15

降雨時に発生する交差偏波に関する問題です。

1

2つの偏波で異なる信号を伝送すれば、周波数の利用効率が2倍になります。 降雨時に交差偏波がおきた時、一方の偏波が交差偏波によってもう一方の成分を持つため、降雨時の交差偏波が発生しやすいと言えます。 そのため、この選択肢は正しい。

2

電力比なら$10\log_{10}(P_p/P_c)$になりますが、電界で表す場合は$20\log_{10}(E_p/E_c)$となります。 そのため、この選択肢は正しい。

3

雨滴が大きいほど大きく変形するのでこの選択肢は正しい。

4

回転楕円体の長軸方向の電界方向のほうが短軸方向より減衰量が大きいので、この選択肢は逆の記載になっています。 そのため、この選択肢が誤り。

5

降雨が強く雨滴の傾きが大きいほど交差偏波識別度は劣化します。 そのため、この選択肢は正しい。

以上から答えは4です

まとめ

今回は先日行われた令和3年7月1回目の1陸技の無線工学BのA-11~15を解いてみました。 過去問が多く出題される1陸技の試験ですが、ここ最近は1回の試験で2回分の過去問が出るので過去問もはかどりますね。 試験が終わった直後ですが、次の試験を目指すならこの時期からであれば次の試験まで十分に時間が取れます。 1陸技を目指す方は頑張っていきましょう。

勉強法 第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書

参考文献

電磁気学をちゃんと学びたい人向け

上の難易度が高い人

 

 

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