R.4.7 無線工学B(1回目) A-1

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-1

【資格】無線従事者のための物理学-電磁波の導出-
MathJax.Hub.Config({tex2jax: {inlineMath: , ]}});無線従事者をはじめとする技術関係の資格試験でいきなり覚えろと言わんばかりに公式などが出てきて困惑した経験はないでしょうか?私は理解しないと次に...
A
Aには①の第1項のz成分に相当します。 $\nabla ^2$はスカラー量なので①の第1項のz成分は \[ \frac{\partial^2 E_z}{\partial x^2}+\frac{\partial^2 E_z}{\partial y^2}+\frac{\partial^2 E_z}{\partial z^2} \] となります。 問題文から$E_z$はyだけの関数なのでこの項は \[ \frac{d^2E_z}{dy^2} \] です。 そのため、Aには「$\frac{d^2E_z}{dy^2}$」が入ります。B
波動方程式の特殊解は$e^{-jky}, e^{jky}$で、前者が前進波、後者が後退波と呼ばれています。 これは$k$が波動の伝搬方向を表すものではなく位相速度を表すため、伝搬方向とは一致しないためです。 一般解はこれらに境界条件に合わせた係数ををかけて足し合わせたものとなります。 そのため、Bには「前進波」が入ります。C
$k^2=\omega^2\mu_0\epsilon_0$で$\omega =2\pi f$なので、問題文から分かる$k\lambda =2\pi$に代入して$\lambda$について解くと \[ \lambda =\frac{1}{f\sqrt{\mu_0 \epsilon_0}} \] となります。 そのため、Cには「$\frac{1}{f\sqrt{\mu_0 \epsilon_0}}$」が入ります。D
⑤の式の両辺を時間$t$で微分すると \[ \omega -k\frac{dy}{dt}=0 \] となります。 速度$v$は$\frac{dy}{dt}$なので、 \[ v=\frac{\omega}{k}=\frac{1}{\sqrt{\mu_0\epsilon_0}} \] です。 そのため、Dには「$\frac{1}{\sqrt{\mu_0\epsilon_0}}$」が入ります。 以上から答えは3です。R.4.7 無線工学B(1回目) A-2

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-2
R.4.7 無線工学B(1回目) A-3

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-3
A
Aでは電界強度から電力束密度を求めています。 空間の特性インピーダンスが$120\pi$なので、この地点での電力束密度は \[ p=\frac{E^2}{120\pi} \] です。 この式については何かとよく使うので、この式自体を覚えておくか、空間の特性インピーダンス$120\pi$を覚えておきましょう。 空間の特性インピーダンスを覚えていれば$p=\frac{E^2}{Z_0}$からすぐにこの形が分かります。 そのため、Aには「$\frac{E^2}{120\pi}$」が入ります。B
放射抵抗$R$のアンテナに電界によって電圧$V$が誘起されるとします。 この時、給電線とアンテナの整合が取れているとすると、アンテナと給電線の直列回路に電圧$V$がかかります。 そのため、アンテナの両端の電圧は$V/2$です。 このことから最大受信電力$P_r$は \[ P_r=\frac{V^2}{4R} \] 半波長ダイポールアンテナの実効長$l_e$は$l_e \frac{\lambda}{\pi}$なので、 \[ V=El_e=E\frac{\lambda}{\pi} \] の電圧がアンテナに誘起されます。 ここまでの結果から \[ P_r=\frac{1}{4R}\left(\frac{\lambda}{\pi}E\right)^2 \] となります。 そのため、Bには「$\frac{1}{4R}\left(\frac{\lambda}{\pi}E\right)^2$」が入ります。C
A,Bの結果を使って実効面積を求めます。 といっても与えられた式に代入するだけです。 \[ A_e=\frac{1}{4R}\left(\frac{\lambda}{\pi}E\right)^2\frac{120\pi}{E^2}=\frac{30\lambda^2}{\pi R} \] この結果からCには「$\frac{30\lambda^2}{\pi R}$」が入ります。 以上から、答えは3です。R.4.7 無線工学B(1回目) A-4

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-4
R.4.7 無線工学B(1回目) A-5

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B A-5
A
アンテナの指向性が送受信で同じことを示す定理は可逆定理です。 そのため、Aには「可逆定理」が入ります。B
一般にアンテナを配列させたときの指向性はアンテナ単体の指向性に配列指向性係数をかけたものになります。 そのため、Bには「配列指向性係数(アレーファクタ)」が入ります。C
半波長ダイポールアンテナの絶対利得は1.64です。 絶対利得は等方性アンテナに対するアンテナの利得の事です。 この問題では等方性アンテナの半波長ダイポールアンテナに対する相対利得を聞いているので、上記の絶対利得とは逆の関係となります。 ちゃんと計算するならば \[ \frac{1}{1.64}=0.6097 \simeq 0.61 \] となります。 そのため、Cには「0.61」が入ります。 半波長ダイポールアンテナの絶対利得と見間違えて1.64の選択肢を選ばないようにしましょう。 半波長ダイポールアンテナの絶対利得を覚えていなくても、半波長ダイポールアンテナは指向性を持つため、等方性アンテナより利得が高いことを考えれば、 必ず、Cに入る値は1より小さくなるはずです。 落ち着いて考えて解きましょう。 以上から答えは2です。まとめ
先週試験を受けた方、試験お疲れ様でした。 日本無線協会から問題と回答が公開されたので、その第一弾として無線工学B1回目のA-1~5を解いてみました。 問題自体は優しいですが、1陸技の試験では珍しくちょっとしたひっかけ問題が混ざっています。 値を覚えておくのはいいですが、条件反射的に答えを出さずいったんしっかり考えてから答えを出しましょう。 勉強法 第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書参考文献
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電磁気学をちゃんと学びたい人向け
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上の難易度が高い人
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