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【読書】お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

先日、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」という本を読了したのでまとめます。

本書では

  • Part1:人生を最適設計する資産運用の知識
  • Part2:人生を最適設計するマイクロ法人の知識
  • Part3:人生を最適設計する働き方

という3部構成で黄金の羽(制度の歪みから構造的に発生する”幸運”)を探す方法について解説されています。

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本の紹介

本書はPart1~3部構成となっています。

Part1では主に資産運用のための知識や、常識について解説されています。
資産形成の基本となる関係式や資産運用の常識です。
不動産や保険に関して日本人の間違った認識とそこから脱するための知識が紹介されています。

Part2ではサラリーマンの税金や社会保険の仕組みとマイクロ法人(税法上は同族会社)と呼ばれる法人を使った節税の方法が記載されています。
以前読んだ「無税入門」で無税装置が軌道に乗って稼げるようになったあとの節税の手段でした。
個人と法人という2つの人格を使い分けることで税や社会保険を最適化する方法の他、資金調達の方法までも紹介されています。

Part3では働き方に関して記載されています。
クリエイティブクラスと呼ばれる知識社会への適応度が高く、相対的に高い所得を得られるクリエイティブクラスと、マニュアル化されたマックジョブの違いについて解説されています。
また、知識社会でクリエイティブクラスとしてキャリアを積むための具体的な方法論が記載されています。

特に参考になったPart1の資産形成の基本と働き方について紹介します。

Part1:資産運用の知識

本書では資産形成の方程式として
資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
という形で表現されています。
第1項はキャッシュフロー(損益計算書)、第2項は資産の運用益(貸借対照表)です。
月または年単位の資産の増加を表す式です。
資産全体を考えるならすべての歳を足し上げる必要があります。

この式を見ると資産を増やすためには次のどれかまたは全部をすることになります。

  • 収入を増やす
  • 支出を減らす
  • 運用利回りを上げる

本書で紹介されている金持ちになるルールは基本的にはこの方針に基づいてより具体的なルールの紹介になっています。
基本的には資産を増やす具体的な方法は上記のどれかに当てはまります。

また、この後には資産運用の常識として株や不動産にかんするよく勘違いされやすい常識が記載されています。
特に、バブル後は株や不動産が暴落したので「常識1:投資をしないのが最高の投資だった」や長期投資は米国株の経験則に則っているため「常識5:長期投資が成功するとはかぎらない」という内容は印象的でした。
不動産や生命保険に関する話は「金持ち父さん貧乏父さん」や「お金の大学」でも解説されている内容です。

資産運用の常識はとても勉強になりました。資産形成の方程式は言われてみれば当たり前ですが、しっかり実行すれば資産を増やせそうです。

Part3:働き方

Part3の働き方の話は特に使える知識だと思います。
本書では働き方について大きくクリエイティブクラスとマックジョブの2つに分けて解説されています。
クリエイティブクラスはさらにクリエイターとスペシャリストに分けられます。
定義としては次のようになります。

  • クリエイター:クリエイティブ(創造的)なビジネスに携わっている人。作家や俳優など
  • スペシャリスト:専門家。医師や弁護士など
  • マックジョブ:マニュアル化されて代替可能な仕事

この次には拡張性の概念が導入されています。
拡張性は限界があるかどうかということになります。
クリエイティブクラスの中でもクリエイターの仕事では1つのビジネスが他に展開できて限界なく収入が得られますが、スペシャリストでは時給は高いですが扱える仕事に上限があり拡張性がないと言えます。

上記の3つに日本のサラリーマンがカテゴライズされる仕事がありません。
日本の雇用慣行は終身雇用・年功序列という特殊な雇用慣行です。
新卒で安く雇ってその企業でしか使えない「企業特殊技能」を学ばせることによって他所では通用しないため、会社に依存できません。
外資系などでは日本と雇用慣行が違うので、標準化された資格などの「一般的技能」が求められます。
企業特殊技能しか持っていなければ、サラリーマンの人的資本は会社から離れるとゼロになります。
昔と違って今はリストラなども一般的になっているので歳を取るほど辛くなるという「残酷な世界」になっています。

知識社会で会社から見捨てられてもマックジョブとして一生を終えないためにはクリエイティブクラスとしてキャリアを積む必要があります。
本書では次の方法が紹介されています。

  • 人的資本への投資により運用利回りを上げる
  • 人的資本の運用期間をできるだけ長くする

確実なのは後者で長く働くほど労働市場から得られる富は大きくなると本書では書かれています。
長く経験を積むほど人的資本は上がっていくので成長する市場を前提として長期投資に似ていますね。
仕事を長く続けるには続けても嫌ではない、好きなことを仕事にする必要があります。
すなわち、「自分だけのニッチを見つけ、人的資本を最大化する”スペシャル(専門)”に特化し、会社に依存せず市場から富を得る」ということになります。

まとめ

Part1で紹介されたキャッシュフローの本質的な増やし方とPart3の人的資本の高め方について簡単に紹介しました。
キャッシュフローは収入、支出、運用利回りの3つのパラメータを最適化することで最大化できます。
人的資本を高めるには長く働いて運用期間を伸ばすために好きなことを仕事にすることが重要です。

非常に面白い本でした。内容的には「金持ち父さん貧乏父さん」を現代の日本向けに更に具体化したという感じでしょうか。
「お金の大学」も同じような印象を持ちましたが、「お金の大学」よりさらに踏み込んで、独立して起業することを中心に書かれているように思います。
これらの本と合わせて読むとより理解が深まるのではないでしょうか。

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