令和4年7月の1陸技の試験1回目の無線工学BのB-1~5の問題について解説します。
最初の3問については選択肢の順番が少し違うだけで過去問と全く同じ問題です。
R.4.7 無線工学B(1回目) B-1

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B B-1
パラボラアンテナの幾何学的な構造に関する問題です。
これは令和3年7月(1回目)のB-1と全く同じ問題です。
解説は下記をご参照ください。

R.4.7 無線工学B(1回目) B-2

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B B-2
ベーテ孔方向性結合器に関する問題です。
これは令和3年1月(1回目)のB-2と全く同じ問題です。
解説は下記をご参照ください。

R.4.7 無線工学B(1回目) B-3

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B B-3
ヘリカルアンテナ(エンドファイアヘリカルアンテナ)に関する問題です。
これは令和3年7月(1回目)のB-3と全く同じ問題です。
解説は下記をご参照ください。

R.4.7 無線工学B(1回目) B-4

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B B-4
天気によるSHFやEHFの伝搬に関する問題です。
ア
大気による電波の共鳴吸収は主に水蒸気と酸素によって発生します。
酸素の共進周波数は60GHz付近なので、アには6.「酸素」が入ります。
イ
一般に周波数が高い周波数ほど水滴による減衰が大きくなります。
そのため、イには2.「高く」が入ります。
ウ
降雨減衰は雨滴による吸収と散乱によって発生します。
そのため、ウには3.「散乱」が入ります。
エ
降雨時の雨滴は空気抵抗によって水平方向に扁平な形になります。
そのため、水平偏波のほうが水滴による影響を受けやすくなるので、エには5.「大きく」が入ります。
オ
扁平な雨滴に電波が侵入する時、エと同様に偏波の方向によって受ける影響が違うので交差偏波識別度が劣化します。
そのため、オには9.「扁平な」が入ります。
R.4.7 無線工学B(1回目) B-5

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R4年7月1回目 無線工学B B-5
定在波の測定により、アンテナのインピーダンスを求める問題です。
ア
アは①と②の式を③に代入することで求められます。
代入すると
Z=V/I=VLcosβl+jZ0ILsinβlILcosβl=Z0(ZL+jZ0tanβlZ0+jZLtanβl)
そのため、アには6.「Z0(ZL+jZ0tanβlZ0+jZLtanβl)」が入ります。
ちなみに同じ日のA-7の問題で与えられている式を変形しても同様の式が得られます。
イ
定在波電圧の最小値は入射波と反射波が互いに打ち消しあうときです。
そのため、
Vmin=|Vf|−|Vr|=|Vf|(1−|Γ|)
となります。
ここで、Γ=Vr/Vfです。
以上からイには7.「|Vf|(1−|Γ|)」が入ります。
ウ
定在波電流が最大の時は入射波と反射波が互いに強めあうときなので
Imax=|If|+|Ir|=|Vf|Z0+|Vr|Z0=|Vf|(1+|Γ)|Z0
そのため、ウには3.「|Vf|(1+|Γ)|Z0」が入ります。
エ
問題文の通りZminを計算すると
Zmin=VminImax=Z0|Vf|(1−|Γ|)|Vf|(1+|Γ)|=Z01−|Γ|1+|Γ|
となります。
以上からエには4.「1−|Γ|1+|Γ|」が入ります。
オ
問題文から③と⑥が等しいので
Z0/S=Z0(ZL+jZ0tanβlminZ0+jZLtanβlmin)
が成り立ちます。
これをZLについて解くと
ZL=Z0(1−jStanβlminS−jtanβlmin)
となります。
そのため、オには5.「Z0(1−jStanβlminS−jtanβlmin)」が入ります。
まとめ
最後のB問題の5問は出題形式が他の問題とは異なります。
この記事に記載した通り、過去問がそのまま出題されやすい傾向がありますので、過去問でしっかり対策しておきましょう。
9月の1総通試験受験のため、1陸技の過去問解説は来月中旬までお休みします。
1月の試験までに無線工学A,Bについて解説する予定ですので気長にお待ちいただければと思います。
参考文献
電磁気学をちゃんと学びたい人向け
上の難易度が高い人
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