本日、「「百合映画」完全ガイド」をサラッと読んだ。
なぜさらっと読んだという表現をしたかというと序文にも書かれている通り、本書で扱われている紹介はどちらかというと観た人向けに書かれているからである。
私はアニメ映画はよく観るものの実写物はあまり観ないのでさらっと読むにとどめることにした。
概略
日本、海外、アニメの3つのカテゴリで合計300本以上の作品についてタイトル、紹介文に加え、監督、制作年等の基本的な情報、作品へのアクセス情報が紹介されている。
女性たちの関係性がサブプロットであろうとあたかもメインプロットのように書かれている。これが本書の最大の特徴であろう。
その理由は
- 映画史における「女性同士」というモチーフの位置づけへの筆者らの歴史的興味
- 「百合」という言葉について我々読者が歪みを抱えているから
の2つである。
ここでいう歪みとは「百合」は各々の作品に対して需要者が見出すべき多様なものであるにもかかわらず、学校のイメージのような「百合」の中心と周縁を決定する暗黙のルールが存在することである。
中心と周縁にとらわれることなく、自分の視点で「百合」をとらえることが重要である。
感想
先日書店を見て回っていたら本書がふと目に入り、タイトル買いした。
序文では筆者らの「百合」に関する考え方や本書内での紹介文の書かれ方が記載されている。扱われる「百合作品」は非常に多様でよく知られている「百合作品」から世間一般的には「百合」とみなされていないような作品まで幅広い。私もぱらぱら中を見ているときそれは「百合作品」なのか?と疑問に思って本文を読んでみるとなるほどなと思わされることも多かった。
本書では観た人が観た人向けに紹介文が書かれているので私のようなたくさんの映画を観ていない人間にとっては少しついていけないところも多いかもしれない。適当なページを開いて目についた作品を実際に観てみて、筆者と感想を共有するような使い方もいいのではないかと思う。
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