今回はLorentz力(ローレンツ力)について扱う。この力は電磁界から荷電粒子が受ける力である。電界から受ける力はすでに見てきた通りで、電界と電荷の積で書ける。磁界についても磁界から電流が受ける力を考えればすぐに導ける。
この記事で扱う事
ローレンツ力
電界と磁界をひっくるめてローレンツ力と呼ぶこともあれば磁界の項のみがローレンツ力と呼ばれることもある。
ここで←おまえは誰だと思われる方も多いと思うのでこの後簡単に解説する。
外積
外積はベクトル同士の掛け算の一種である。
2つの3次元ベクトル の外積は以下のように定義される。
このため大きさはではとがなす角である。
フレミングの左手の法則
名前くらいは一度は聞いたことがあると思う。
前回磁界中の電流にかかる力はで表されて向きも磁界の方向から電流方向に右ねじを回す時にねじが進む方向となるのでである。
電流は導線の断面を単位時間で通過する電荷の量なので導線の単位長さあたりの荷電粒子数を、荷電粒子の電荷を、荷電粒子の速度をとすると
で表される。の長さ中の電荷を考えるととなるので、と置けばローレンツ力が導ける。
緑:力F、青:磁界B、赤:電流IでF.B.I(連邦捜査局)と覚えておくと覚えやすい。
まとめ
参考文献
今回の出題範囲
リンク
電磁気学をちゃんと学びたい人向け
リンク
上の難易度が高い人
リンク
リンク
次回予告
電磁誘導について扱おうと思う
前回
無線従事者のための物理学-Ampereの法則とBiot–Savartの法則-
今回はアンペア(Ampere、アンペール)の法則とビオ・サバ―ルの法則について扱います。(記事内では無線従事者使われる呼び方に準拠してアンペアの法則、ビオ・サバ―ルの法則と記載する。)アンペアは電流の単位のアンペアの由来となった人物です。ま...
次回
無線従事者のための物理学-Faradayの法則-
今回はFaradayの法則(ファラデーの法則)について扱う。アンペアの法則では電流から磁界が作られることを見てきました。ファラデーの法則は逆に磁界から電流が作られるという法則です。この法則と以前まで扱ったガウスの法則、アンペアの法則を合わせ...
本シリーズについて
無線従事者のための物理学-本シリーズの立ち位置と今後の方針-
書き始めの動機今後不定期で無線従事者資格で扱われる技術的なトピックについての解説記事をシリーズ書いていこうと考えている。私自身第一級陸上無線技術士を持っているが、この受験の時はかなり苦労した経験がある。合格するだけなら過去問を数年分解けば出...
勉強法
第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書
第一級陸上無線技術士を受けようと思ったけど何からどうやって勉強すればいいのか分からない。そんな人も多いのではないでしょうか?第一級陸上無線技術士に限らず別の無線従事者や技術系の資格を取りたいと思う目的もいろいろだと思います。無線工学や法規に...
コメント