令和6年1月の一陸技の試験の無線工学BのA-16~20の問題について解説します。
R.6.7 無線工学B A-16
電波の伝わり方に関する問題です。
この問題は同様の問題が令和3年7月2回目A-15で出題されています。 文章は同じで空欄の位置が違います。
下記の記事もご参照ください。
電波の伝搬に関しては下記でも解説しています。
A
大地の電気伝導率が小さいほど減衰しにくいので遠くまで伝搬します。
副反射鏡として回転楕円面の凹面を使うことにより開口面で電波の位相をそろえることができます。
そのため、Aには「回転楕円面」、Bには「凹面側」が入ります。
B
(2)は屈折率の変化によって発生する現象に関する記述です。
選択肢としてラジオダクト波か対流圏散乱波のいずれかなのでこの記述はラジオダクト波に関する内容であることが分かります。
そのためBには「ラジオダクト波」が入ります。
C
ラジオダクト波は気温逆転現象等によって屈折率が高さ方向に変化することによって発生します。
そのため、Cには「高さ方向」が入ります。
D
対流圏内の屈折率の不規則なゆらぎによって発生する現象は対流圏散乱波です。
そのため、Dには「対流圏散乱波」が入ります。
以上から答えは1です。
R.6.7 無線工学B A-17
フレネルゾーンに関する問題です。
この問題は同様の問題が令和3年1月1回目A-17で出題されています。 下記の記事をご参照ください。
Bの空欄で計算する値が違います。
A
Aは上記の記事と全く同じなので \[ \sqrt{\lambda d(1-d/D)} \] が入ります。
B
上の式を$D$について解くと \[ D=\frac{d}{1-\frac{r^2}{\lambda d}} \] となり、これに代入すると \[ D=15000\rm{[m]}=15\rm{[km]} \] となるのでBには「15」が入ります。
以上から答えは4です。
R.6.7 無線工学B A-18
アンテナ測定に関する問題です。
この問題は同様の問題が令和3年7月2回目A-20で出題されています。 Aの空欄のみが違います。
下記の記事をご参照ください。
A
アンテナの可逆性はアンテナ利得や指向性については成り立ちますが、アンテナ上の電流分布には成り立ちません。
そのためAには「アンテナ上の電流分布」が入ります。
B,C
B,Cは令和3年7月2回目A-20と同じで
- B:平面波
- C:オープンサイト
が入ります。
以上から答えは3です。
R.6.7 無線工学B A-19
開口面アンテナの放射電磁界の領域に関する用語の問題です。
この問題は全く同じ問題が令和4年1月2回目A-20で出題されています。
下記の記事をご参照ください。
答えは
- A:リアクティブ近傍界
- B:近傍界
- C:放射遠方界
で4です。
R.6.7 無線工学B A-20
アンテナ利得の測定に関する問題です。
この問題は全く同じ問題が令和5年1月2回目A-19で出題されています。
下記の記事をご参照ください。
答えは
- A:できる
- B:角すいホーンアンテナ
- C:できる
で1です。
まとめ
今回は令和6年7月の無線工学Bの試験A-16~A-20の問題について解説しました。 今回の5問は過去問と全く同じ問題も多く含まれており、過去問で試験対策をしている方には簡単だったのではないでしょうか。 丸暗記は推奨しませんが、一度見たことがある問題というだけで試験会場では安心材料になると思います。
参考文献
電磁気学をちゃんと学びたい人向け
上の難易度が高い人
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