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23種類の無線従事者資格とその関係

1陸技

無線従事者資格の概要についてご紹介します。
当サイトで主に扱っている第一級陸上無線技術士のほかにもたくさんの無線従事者資格が存在します。
無線従事者の種類は全部で23種類です。

これらの資格の違いや難易度についてご紹介します。

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無線従事者23資格の関係

無線従事者資格は23種類です。
これらの23資格はすべてが独立しているものではなく、大きく総合無線通信士、海上無線通信士、航空無線通信士、陸上無線技術士、アマチュア無線技士の5系統があります。
最上位資格は第一級陸上無線技術士と第一級総合無線通信士で、この2資格を持っていればすべての無線従事者を網羅できます。

日本無線協会にわかりやすい図解がありますので下記に示します。

無線従事者資格の相互関係(日本無線協会より引用)

基本的には上のほうの資格ほど操作範囲が広く、難易度が高いです。
図中の線で結ばれた資格は上位・下位の関係にあり、上位に位置する資格を持っていれば下位の資格の操作範囲を網羅できます。

大まかな枠組みとしては次のような位置関係です。(一部例外があります。)

  • 級の数字が小さいほど上位
  • 「特殊」が入ると下位

~~特殊無線技士は小規模な無線局が様々な場面で利用されることが増えたことによる、無線従事者への需要を満足するために無線局の種類や操作範囲を制限することで容易に取得できるようにした無線従事者資格です。
そのため、どの資格も下位の資格で難易度も低い傾向にあります。

具体的な操作範囲については電波法施行令第3条に規定されています。

それぞれについてご紹介します。

総合無線通信士

総合無線通信士の資格は海上、航空、陸上問わず無線設備の操作を行うことができる資格です。
無線設備の操作全般ができますが、技術操作については一部制限があります。

総合無線通信士には第一級から第三級まであります。

第二級総合無線通信士で枝分かれして、航空無線通信士と国内電信級陸上特殊無線技士がその下位に位置します。

国内電信級陸上特殊無線技士は無線電信の国内通信のための通信操作が可能です。
陸上と名がついていますが、この資格は技術操作が含まれていないので、総合無線通信士の下位資格という位置づけとなっています。

航空無線通信士については後述します。

総合無線通信士はその性質上、一部の海上無線通信士や陸上無線技士の上位資格となります。

総合無線通信士の最上位資格である第一級総合無線通信士は第一級陸上無線技術士以外の操作範囲をすべて網羅しており、第一級陸上無線技術士とツートップを成す無線従事者の最難関資格です。

海上無線通信士

海上無線通信士は船舶や海岸局など海上関係の無線設備を操作するための資格です、

海上無線通信士には第一級から第四級の海上無線通信士と第一級から第三級の海上特殊無線技士、レーダー級海上特殊無線技士の合計8種類の資格が存在します。

基本的には海上無線通信士が海上特殊無線技士の上位に位置しますが、第三級海上無線通信士、第四級海上無線通信士、第一級海上特殊無線技士についてはこの関係から少し外れます。

図の通り、第四級海上無線通信士の上位資格は第三級ではなく第二級海上無線通信士であり、第四級海上無線通信士は第一級海上特殊無線技士ではなく第二級海上特殊無線技士の上位資格になっています。

これらの操作範囲の違いについて簡単にご説明します。

三海通と四海通の違い

この2資格の操作範囲の違いは次の通りです。

  • 技術操作範囲の違い:三海通では一部の無線設備の外部の転換装置の技術操作しかできないが、電力等の制限があるものの三海通の範囲外の技術操作が可能
  • 第四級アマチュア無線技士の包含:4海通では第四級アマチュア無線技士の操作範囲で操作が可能

ここでいう転換装置とはスイッチやツマミのことです。

通信操作に関して言えば三海通が四海通の上位資格と言えますが、三海通で許されていない無線設備の技術操作が四海通では可能なので、技術操作に関して言えば四海通が上位資格です。

四海通と一海特の違い

通常の流れで行けば4海通は1海特の上位資格ですが、実際はそうではありません。

これは4海通の操作範囲が国際通信を含まないのに対して、1海特では国際通信ができるためです。

無線設備の通信操作に関して言えば一海特のほうが4海通より上位といえるため、四海通が一海特の上位資格とはなりません。

航空無線通信士

航空無線通信士は航空関係の無線設備を操作するための資格です。

航空無線通信士には航空無線通信士と航空特殊無線技士の2種類の資格があります。
これらは第二級総合無線通信士の下位資格となります。

陸上無線技術士

陸上無線技術士は陸上無線局の無線設備の技術操作を行うための資格です。

第一級および第二級陸上無線技術士と第一級から第三級陸上特殊無線技士、国内電信級陸上特殊無線技士の6種類があります。
陸上無線技術士のみ通信士ではなく技術士となってるのは操作範囲が技術操作に限られているからです。

陸上無線技術士は国内電信級を除き、上位・下位の関係は単純で、陸上特殊無線技士は陸上無線技術士の下位資格です。
国内電信級については前述の通りで、第二級総合無線通信士の下位資格となっています。

アマチュア無線技士

アマチュア無線技士はアマチュア無線という趣味を行うために必要な資格です。

アマチュア無線技士には、第一級から第四級が存在しそれぞれ許可される操作範囲が異なります。

図に記載された資格を持っているとアマチュア無線技士が包含されますが、第三級アマチュア無線技士以上は総合無線通信でしか網羅できません。
これはほかの資格ではモールス信号が試験範囲に含まれないためです。

アマチュア無線は電波法令で「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」と規定されており、仕事で使うことはできません。
あくまで趣味として楽しみましょう。

資格ごとの難易度

難易度については縦に線がつながっている資格が上から順番に難易度が高いと考えて問題ないでしょう。
無線設備を操作できる範囲が広いということはその分、取り扱う内容が高度化し問題が難しくなります。

ただし、難易度の順番だからと言ってすべての資格を順番にとる必要はありません。
いきなり一陸技や一総通に挑戦しても問題ないと思います。
私自身、三アマ→一アマ→一陸技→一総通(挑戦中)の順番に資格を取ろうとしています。

これまで試験勉強に割ける時間やこれまでに学んできた知識がそれぞれ違うので自分にあった資格を受験するのがよいでしょう。

無線の知識に自信がないのなら、最初は特殊がつく資格や第四級アマチュア無線技士などで何となくの知識をつけてから順番に勉強していくことをおすすめします。

独学が難しい人には、スクールやeラーニングという手段もあります。
無線従事者資格を扱っているスクールはあまり多くはありませんがどうしても難しいのなら検討するのもありでしょう。
例えば、難関資格試験の通信講座ならアガルートアカデミー(一陸特)や情報通信振興会(一陸技等)などが扱っています。

横の並びは必ずしも同程度の難易度とは限りません。
例えば、最上位資格である一陸技と一総通では試験範囲が大きく異なり、単純な難易度比較はできません。

一総通では無線工学の難易度こそ一陸技に及びませんが、英語や電気通信術といった全く違う試験が課されます。
また、科目数も増えるため、一陸技より一総通のほうが難しいと言っていいでしょう。

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