令和5年7月の1陸技の試験1回目の無線工学BのA-11~15の問題について解説します。
R.5.7 無線工学B(1回目) A-11
角錐ホーンアンテナの利得を求める問題です。
値を変えた問題が令和3年7月2回目A-11や令和4年7月1回目A-13で出題されています。 解き方については下記の記事をご参照ください。
\[ G=\frac{4\pi}{\lambda ^2}A_e \\ =\frac{4\pi}{\lambda ^2}ab\eta_e\eta_h \\ =10\log \left( \frac{4\pi \times 0.09 \times 0.11}{0.06^2}\times 0.77 \times 0.76\right) \\ =10\log (\pi \times 11 \times 77 \times 76 \times 10^{-4}) \\ \simeq 10\log (\pi \times 10 \times 80 \times 80 \times 10^{-4}) \\ =10(\log \pi +6\log 2 -1)=13\rm{[dB]} \] $a, b, \eta_e, \eta_h$はそれぞれ縦の長さ、横の長さ、電界面の開口効率、磁界面の開口効率です。
以上から答えは3です。
R.5.7 無線工学B(1回目) A-12
パラボラアンテナに関する問題です。
同様の問題が過去にも出題されています。 下記の記事をご参照ください。
空欄Aは令和3年1月1回目A-13の内容、それ以降の空欄は令和4年1月1回目A-12のB以降と同じです。
問題文の変数の定義が違うので注意しましょう。 令和3年1月1回目A-13の関数で$2r \rightarrow D , 2\theta \rightarrow \theta$と置き換えましょう。
空欄はそれぞれ
- A:$\tan \frac{\theta}{4}=\frac{D}{4f}$
- B:$\left( \frac{\pi D}{\lambda}\right)^2\eta$
- C:比例
- D:反比例
が入ります。
答えは1です。
R.5.7 無線工学B(1回目) A-13
フェーズドアレーアンテナの位相走査に関する問題です。
この問題は令和3年7月1回目A-11で同様の問題が出題されています。 問題文はほぼ同じですが、空欄A付近の内容が追加されています。
空欄B~Dについては下記の記事をご参照ください。
A
デジタル移相器では複数の移相器を複数縦続接続し、スイッチで切り替えることにより位相角を決めています。
このスイッチ挿入の影響を小さくするために$1/4$波長スタブが使用されます。
Aの空欄を含めて各空欄に入る言葉配下の通りです。
- A:スタブ
- B:$\pi /2^n$
- C:サイドローブ
- D:多く
以上から答えは1です。
R.5.7 無線工学B(1回目) A-14
電離層の臨界周波数に関する問題です
類似問題が令和3年7月1回目A-17で出題されています。 計算で求めるものが電子密度ではなく臨界周波数になっています。
臨界周波数の時、屈折率が$n=0$となるので、√の中身がゼロになるように計算します。 \[ 1-\frac{81N}{f^2}=0 \\ f=\sqrt{81N} \\ =\sqrt{9^2\times 13^2 \times 10^{10}} \\ =11.7\rm{[MHz]} \]
以上から答えは5です。
R.5.7 無線工学B(1回目) A-15
電波の伝わり方に関する問題です。
この問題は令和3年7月2回目A-15で同様の問題が出題されています。 問題文が同じで、空欄の位置が異なります。
下記の記事をご参照ください。
上記の記事の見比べると空欄の言葉は下記のようになります。
- A:大きい
- B:対流圏散乱波
- C:ラジオダクト波
- D:高さ方向
以上から答えは5です。
電波の伝わり方については下記の記事でも解説しています。
まとめ
今回は令和5年7月の無線工学B(1回目)の試験A-11~A-15の問題について解説しました。 問題文は過去問と同じで空欄や計算するものが違うという問題が多く出題されています。 過去問演習によって苦手をつぶしておけば本番の試験でも対応できるでしょう。
参考文献
電磁気学をちゃんと学びたい人向け
上の難易度が高い人
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