本ページはプロモーションが含まれています

【過去問解説】令和3年7月の1陸技試験問題を解いてみた(R3.7 1回目 無線工学A A-1~A-5)

 

 

令和3年7月の1陸技の試験、無線工学AのA-1~5の問題について解説します。

スポンサーリンク

R.3.7 無線工学A(1回目) A-1

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月1回目 無線工学A A-1

LTEのシングルキャリア周波数分割多元接続方式に関する問題です。

方式に関する問題なので覚えておくのもいいかもしれませんが、問題文から計算できるので覚えていなかったとしても諦めず挑みましょう。

A

(2)に書かれている内容を使って計算できます。

180kHzの帯域に12のサブキャリアがあるので、サブキャリア間隔は15kHzです。 ここから基本時間単位$T_s$が計算できます。

\[ T_s=\frac{1}{2048\Delta f}=32.6[\rm{ns}] \]

1シンボルの中でガードインターバルを除いた2048$T_s$が有効シンボル長です。

\[ T_e=2048T_s=66.7[\rm{\mu s}] \]

B

シンボル#1のガードインターバルは$144T_s=4.7[\rm{\mu s}]$です。

C

2RBを1サブフレームにするので、2スロット($30720T_s$)が1サブフレーム長になります。

計算すると$30720T_s=1[\rm{ms}]$となります。

したがって答えは4です。

R.3.7 無線工学A(1回目) A-2

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月1回目 無線工学A A-2

QPSKの原理に関する問題です。

三角関数の加法定理が分かっていれば計算できます。 計算の方針としては①の$a_1,a_2$に与えられた値を代入してコサインの加法定理 \[ \cos(\alpha + \beta)=\cos\alpha\cos\beta – \sin\alpha\sin\beta \] を使って②の式の形に合わせます。

A

データ値が(0,1)なので

\[ s(t)=A\left(\left(-\frac{1}{\sqrt{2}}\right)\cos\omega_ct-\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)\sin\omega_ct\right) \\ =A\left(\cos\omega_ct\cos\frac{3}{4}\pi-\sin\omega_ct\sin\frac{3}{4}\pi\right) \\ =A\cos\left(\omega_ct+\frac{3}{4}\pi\right) \]

です。

B

データ値が(1,1)なので

\[ s(t)=A\left(\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)\cos\omega_ct-\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)\sin\omega_ct\right) \\ =A\left(\cos\omega_ct\cos\frac{\pi}{4}-\sin\omega_ct\sin\frac{\pi}{4}\right) \\ =A\cos\left(\omega_ct+\frac{\pi}{4}\right) \]

です。

以上から答えは1です。

R.3.7 無線工学A(1回目) A-3

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月1回目 無線工学A A-3

AMの変調に関する問題です。

AMで変調された信号の電圧は次のように表せます。

\[ v_{AM}=V_c\cos(\omega t)+\frac{1}{2}mV_c\cos(\omega +p)t+\frac{1}{2}mV_c\cos(\omega -p)t \]

ここで$V_c$は搬送波の電圧、$m$は変調度、$\omega$は搬送波の角周波数、$p$は変調波の角周波数です。

第1項が搬送波、第2項が上側波、第3項が下側波を表します。

インピーダンスを1とすると全電力は次のように表せます。 \[ \left(1+\left(\frac{m}{2}\right)^2+\left(\frac{m}{2}\right)^2\right)V_c^2 \]

全電力のうち片側波が占める割合は

\[ \frac{\left(\frac{m}{2}\right)^2}{1+\left(\frac{m}{2}\right)^2+\left(\frac{m}{2}\right)^2}=\frac{m^2}{2(2+m^2)} \]

となります。

ここに変調度$m=0.5$を代入し、全電力360[W]をかければ片側波帯の電力が分かります。 計算すると20[W]となります。

答えは2です。

R.3.7 無線工学A(1回目) A-4

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月1回目 無線工学A A-4

AMの二乗検波に関する問題です。

与えられた式に代入することで計算できます。

\[ i=ke^2 \\ =kA^2(1+0.6\sin pt)^2\sin^2\omega t \\ =kA^2(1+0.6\sin pt)^2\frac{1-cos 2\omega t}{2} \\ =\frac{kA^2}{2}(1+0.6\sin pt)^2-\frac{kA^2}{2}(1+0.6\sin pt)^2\cos 2\omega t \]

第1項は信号成分で、第2項は変調波の第二高調波です。

必要なのは信号成分で、その中に第二高調波成分も含まれます。 第1項を展開しましょう。 \[ (第1項)=\frac{kA^2}{2}+0.6kA^2\sin pt +0.09kA^2\cos 2pt \] となります。

信号波は第2項、第二高調波は第4項です。 この振幅の比が歪み率になるので、$\frac{0.09kA^2}{0.6kA^2}=0.15$となります。

以上から答えは3です。

R.3.7 無線工学A(1回目) A-5

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R3年7月1回目 無線工学A A-5

ISDB-Tのインターリーブに関する問題です。 選択肢問題は基本的に消去法で解くのが良いでしょう。

1

ISDB-Tでは外符号としてリードソロモン符号、内符号として畳み込み符号を使用しています。 そのためこの選択肢が誤りです。

2

ISDB-Tでは時間インターリーブと周波数インターリーブの両方を行っており、この選択肢は正しいです。

3

周波数インターリーブをすることで複数の周波数に信号が分散するので、周波数選択性フェージングに強くなります。 この選択肢は正しいです。

4

時間インターリーブによって時間的に発生する誤りを低減できます。 この選択肢は正しいです。

5

ISDB-Tでは2段階のインターリーブを使用しています。 この選択肢は正しいです。

以上から答えは1です。

まとめ

今回は先日行われた令和3年7月1回目の1陸技の無線工学AのA-1~5を解いてみました。 過去問が多く出題される1陸技の試験ですが、ここ最近は1回の試験で2回分の過去問が出るので過去問もはかどりますね。 試験が終わった直後ですが、次の試験を目指すならこの時期からであれば次の試験まで十分に時間が取れます。 1陸技を目指す方は頑張っていきましょう。

勉強法 第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書

参考文献

電磁気学をちゃんと学びたい人向け

上の難易度が高い人

コメント

タイトルとURLをコピーしました