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【過去問解説】令和5年7月の1陸技試験問題を解いてみた(R5.7 2回目 無線工学B B-1~B-5)

1陸技

令和5年7月の1陸技の試験2回目の無線工学BのB-1~5の問題について解説します。

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R.5.7 無線工学B(2回目) B-1

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R5年7月2回目 無線工学B B-1

アンテナの実効長、利得、実効面積に関する問題です。

それぞれの定義など基本的な項目に関する正誤問題になっています。

この式は実効長の定義通りなので正しい記述で答えは1です。

絶対利得を$G_I$、放射効率を$\eta$、指向性利得を$G_d$、相対利得を$G_R$とすると、
\[
G_I=\eta G_d \\
G_R=G_I/1.64
\]
です。2式目は半波長体ポールアンテナの利得が$1.64(2.15\rm{[dBi]})$であることを表します。

上記の式を整理して
\[
G_R=\frac{\eta}{1.64}G_d
\]
となります。

この計算結果からも分かる通り、相対利得と指向性利得は等しくありません。
そのため、イは誤りで答えは2です。

動作利得は$G/M$で表されるため、ウは誤りで答えは2です。

動作利得の方が整合時のアンテナ利得より小さくなるので$M\geq 1$であることを考えると動作利得が$GM$となることはありえません。

アンテナの利得は実効長ではなく実効面積に比例します。

そのため、エは誤りで答えは2です。

オは正しいので答えは1です

幾何学面積($A$)と実効面積$A_e$の関係は開口効率$\eta$を使って
\[
A_e=\eta A
\]
で表されます。

理想的な開口面アンテナでは開口効率が1なので幾何学面積と実効面積は等しくなります。

R.5.7 無線工学B(2回目) B-2

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R5年7月2回目 無線工学B B-2

同軸線路と導波管の伝送モードに関する問題です。
こちらもB-1と同様、基本的な内容に関する内容です。

方形導波管での伝搬は通常$TE_{10}$モードのみなのでTEMモードは存在しません。

そのため、アは誤りで答えは2です。

イの記述は正しい記述なので答えは1です。

方形導波管での伝搬はは通常$TE_{10}$モードのみなのでTMモードは存在しません。

そのため、ウは誤りで答えは2です。

エの記述は正しいので答えは1です。

同軸線路の伝搬モードは通常TEMモードが使用されます。

そのため、オの記述は正しいので答えは1です。

R.5.7 無線工学B(2回目) B-3

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R5年7月2回目 無線工学B B-3

ヘリカルアンテナ(エンドファイアヘリカルアンテナ)に関する問題です。

この問題は令和3年7月(1回目)B-3と全く同じ問題です。
令和4年7月(1回目)B-3でも同じ問題が出題されています。

下記の記事をご参照ください。

【過去問解説】令和3年7月の1陸技試験問題を解いてみた(R3.7 1回目 無線工学B B-1~B-5)
1陸技令和3年7月の無線工学Bの問題を解いてみました。今回は第1回B-1~5を解きました。

答えは

  • ア:7.「エンドファイヤ」
  • イ:6.「1波長」
  • ウ:3.「円」
  • エ:9.「多く」
  • オ:10.「広くなる」

です。

R.5.7 無線工学B(2回目) B-4

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R5年7月2回目 無線工学B B-4

天気によるSHFやEHFの伝搬に関する問題です。

この問題はほぼ同じ問題が令和3年1月(1回目)B-4や令和4年7月(1回目)B-4で出題されています。
()の順番や空欄の位置の違いはありますが、文章としては令和3年1月(1回目)B-4と同じです。

下記の記事をご参照ください。

【無線】1月の1陸技試験問題を解いてみた(R3.1 1回目 無線工学B B-1~B-5)
1陸技令和3年の無線工学Bの問題を解いてみました。今回は第2回B-1~5を解きました。
【過去問解説】令和4年7月の1陸技試験問題を解いてみた(R4.7 1回目 無線工学B B-1~B-5)
1陸技令和4年7月の無線工学B(1回目)の問題を解いてみました。今回はB-1~5です。

丸暗記する必要はありませんが、各文章のポイントは押さえておきましょう。

答えは

  • ア:6.「22[GHz]」
  • イ:7.「減少」
  • ウ:3.「散乱」
  • エ:5.「雨滴」
  • オ:9.「扁平な」

です。

R.5.7 無線工学B(2回目) B-5

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R5年7月2回目 無線工学B B-5

マイクロ波アンテナの測定に関する問題です。

こちらもB-1と同様、基本的な内容に関する内容です。

アンテナの測定項目として記載されている内容が一般的です。

そのため、アの記述は正しいので答えは1です。

イの記述も正しいので答えは1です。

利得が未知のアンテナが3つあるときの利得の求める方法は3アンテナ法と呼ばれています。
具体的な計算方法は、下記の令和5年1月2回目A-19で解説しています。

【過去問解説】令和5年1月の1陸技試験問題を解いてみた(R5.1 2回目 無線工学B A-16~A-20)
1陸技令和5年1月の無線工学B(2回目)の問題を解いてみました。今回はA-16~20です。

円偏波アンテナの測定方法としては正しい記述なのでウの答えは1です。

開口面アンテナの利得を測定する時は送受信それぞれのアンテナ内の任意の点同士の距離が位置によって変わるので、送受信アンテナが近すぎると誤差が大きくなります。

誤差が無視できるようになる最小距離は波長に関係するためエは誤りで答えは2です。

最小距離の計算方法については令和4年1月1回目A-20で解説しています。

【過去問解説】令和4年1月の1陸技試験問題を解いてみた(R4.1 無線工学B A-16~A-20)
1陸技令和4年1月の無線工学B(1回目)の問題を解いてみました。今回はA-16~20です。

縮小した模型でアンテナ測定する場合、アンテナが小さくなるので本来のアンテナより放射される電波の波長が短くなります。

波長が短くなると周波数は高くなるので、本来のアンテナの使用する周波数を縮小率で割った高い周波数で測定する必要があります。

そのため、オは誤りで答えは2です。

まとめ

今回は令和5年7月の無線工学B(2回目)の試験B-1~B-5の問題について解説しました。
今回のB問題は基礎的ですが関連している内容を網羅した問題が多く出題されています。
押さえる範囲は広いですが基本となる知識だけ覚えていれば解けることも多いです。

勉強法

第一級陸上無線技術士の勉強法とおすすめ参考書

参考文献

電磁気学をちゃんと学びたい人向け

上の難易度が高い人

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