令和6年7月の一陸技の試験の無線工学AのA-16~20の問題について解説します。
R.6.7 無線工学A A-16
送信設備の「スプリアス発射の強度」と「不要発射の強度」の測定に関する問題です。
この問題は同様の問題が令和4年7月1回目B-2や令和3年7月2回目A-19で出題されています。 令和3年7月2回目A-19に関しては全く同じ問題です。
下記の記事をご参照ください。
令和3年7月2回目A-19
また、令和4年7月1回目B-2も参考にしてください
答えは
- A:帯域外
- B:スプリアス
- C:変調
- D:ある
で1です。
R.6.7 無線工学A A-17
放送衛星から出力される電波のEIRPとPFDを計算する問題です。
この問題は同様の問題が令和4年7月1回目A-13で出題されています。
シチュエーションは全く同じで計算する物理量が違います。
下記の記事をご参照ください。
シチュエーションが全く同じなのでEIRPは上記の記事の通りです。 単位が$\rm{dBW}$であることに注意してください。
$\rm{dBm}$から$\rm{dBW}$の変換は$30$を引けばいいので \[ \rm{EIRP}=59.3\rm{[dBW]} \] です。
電界強度はPFDから求めた方が楽です。 PFDについても求めてあるので下記の通りです。 \[ \rm{PFD}=-103.3\rm{[dBW]} \]
与えられた式から \[ E=\sqrt{120\pi \rm{PFD}} \] なので \[ E\rm{[dBV/m]}=20\log_{10}\sqrt{120\pi \rm{PFD}} \\ =10(0.6+0.48+0.5+1)-103.3 \\ =25.8-103.3=-77.5 \rm{[dBV/m]}\\ =-77.5+120=42.5 \rm{[dB\mu V/m]} \] となります。
以上から答えは5です。
R.6.7 無線工学A A-18
スペクトルアナライザとFFTアナライザについて測定できる項目の問題です。
この問題は同様の問題が令和5年1月2回目A-19で出題されています。 文章の順番は違いますが、内容は同じです。
下記の記事をご参照ください。
答えは
- A:できない
- B:できる
- C:できる
- D:できる
で1です。
R.6.7 無線工学A A-19
雑音電界強度測定器に関する問題です。
この問題は全く同じ問題が令和5年7月1回目A-19と令和3年7月1回目A-17で出題されています。
下記の記事をご参照ください。
令和5年7月1回目A-19
令和3年7月1回目A-17
また、B問題として令和4年7月2回目B-4で出題されています。
答えは
- A:通過帯域幅
- B:充電及び放電時定数
- C:1
で1です。
R.6.7 無線工学A A-20
受信機の受信感度測定に関する問題です。
この問題は同様の問題が令和5年1月1回目A-19や令和3年7月2回目A-20で出題されています。
いずれも数値が異なるだけです。
下記の記事もご参照ください。
令和5年1月1回目A-19
令和3年7月2回目A-20
内容としてはただの単位変換なので$\rm{dBm}$を$\rm{dB \mu V}$に変換するために$113$を足せば問題ありません。
\[ -101+113=12\rm{[dB \mu V]} \\ =2\times 20\log_{10}2=20\log_{10}4 \] なので、真数に直すと$4\rm{\mu V}$となります。
以上から答えは3です。
まとめ
今回は令和6年7月の無線工学Aの試験A-16~A-20の問題について解説しました。
今回解説した問題は比較的過去問の類似問題が多かった印象です。 前回のように新規問題が多くあることもありますが、そのあとに簡単な問題が出ていることもあるので時間を有効に使うためにも解けなそうなら一度飛ばして後の問題を観るのもありかと思います。
参考文献
電磁気学をちゃんと学びたい人向け
上の難易度が高い人
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