令和5年1月の1陸技の試験1回目の無線工学BのA-11~15の問題について解説します。
R.5.1 無線工学B(1回目) A-11
円すいホーンレフレクタアンテナに関して誤った選択肢を選ぶ問題です。
誤った選択肢は3です。
ホーンレフレクタアンテナは電磁ホーンと回転放物面を組み合わせた構造になっていて放射されるのは平面波です。 この構造上、電磁ホーンの中心から放射面の各点までの経路が一様ではないため、アンテナの構造が非対称であるといえます。
そのため、直線偏波で励振した場合は交差偏波成分も現れます。
以上から答えは3です。
R.5.1 無線工学B(1回目) A-12
無給電アンテナに関する問題です。 無給電アンテナは波源となる励振アンテナからの電波を反射板によって反射して中継するアンテナです。
A
波源からの距離による反射板の名前の違いを聞いています。
アンテナからの距離によってフレネル領域(近傍)とフラウンホーファ領域(遠方)と電波の振る舞いが異なります。
この問題では「遠隔」形平面反射板が設置される領域を聞かれているので、Aに入るのは「フラウンホーファ領域」です。
B
(2)では平面反射板の実効面積を聞いています。 各選択肢で$\alpha S$は共通しているのでこの部分は一旦置いておきます。
反射板での反射は、入射波に含まれる電界の反射板と平行な成分が寄与します。 電界は入射波の進行方向に対して垂直に現れるので、電界強度を$E_0$とすると反射板に平行な成分は$E_0\cos \theta$となります。
このことから、反射板の有効投影面積$S_e$は \[ S_e=\alpha S \cos \theta \] です。
C
$2\theta$が鋭角の場合、反射板を交差する必要がないですが、この角が鈍角の時には反射板を組み合わせることも有効です。
そのため、Cには「鈍角」が入ります。。
以上から答えは3です。
R.5.1 無線工学B(1回目) A-13
コーナレフレクタアンテナに関する問題です。 この問題は全く同じ問題が令和3年7月2回目のA-10で出題されています。
下記の記事をご参照ください。
以上から、答えは1です。
R.5.1 無線工学B(1回目) A-14
移動体通信の電波伝搬特性に関する問題です。 文章が同じで空欄Aの位置のみが違う問題が令和4年1月2回目のA-14で出題されています。
下記の記事をご参照ください。
答えは1です。
R.5.1 無線工学B(1回目) A-15
電波雑音に関して誤った選択肢を選ぶ問題です。 同様の問題が令和3年7月1回目のA-16で出題されています。
下記の記事もご参照ください。
誤った選択肢は2です。
夜間と日中の関係が逆になっています。 D層が消滅するのは夜間です。
以上から答えは2です。
まとめ
今回は令和5年1月の無線工学B(1回目)の試験A-11~A-15の問題について解説しました。 過去問と同じ内容でも一部を変更して出題されることもあるので、丸暗記しないで応用が効くように勉強していきましょう。
参考文献
電磁気学をちゃんと学びたい人向け
上の難易度が高い人
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