令和6年1月の一陸技の試験の無線工学BのA-1~5の問題について解説します。
R.6.1 無線工学B A-1

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R6年1月 無線工学B A-1
アンテナの利得や指向性、受信電力に関して誤った選択肢を選ぶ問題です。
誤った選択肢は5です。
前半部分の記述は正しく、等方性アンテナに対する利得(絶対利得)が1.5倍なのは正しいです。
後半の1.76[dB]は10log101.5=1.76なので絶対利得になっています。 そのため、相対利得1.76[dB]は誤りです。
以上から答えは5です。
R.6.1 無線工学B A-2

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R6年1月 無線工学B A-2
半波長ダイポールアンテナのインピーダンスを純抵抗となる周波数を求める問題です。
この問題については同様の問題が過去に何度か出題されています。 多くは短縮率を求めてそこからアンテナ素子の長さを求めることが多いですが、今回は周波数を求める問題になっています。 下記の記事もご参照ください。
令和5年7月1回目A-3

令和4年1月2回目A-5

令和3年1月1回目A-3

問題で与えられている短縮率δからアンテナの特性インピーダンスZ0を求めます。 一方で、半波長ダイポールアンテナの特性インピーダンスは波長λと素子の直径dから求めることもできます。 上記の両者が等しいという式から波長(周波数)を求めることにします。
まず、短縮率から特性インピーダンスを求めます。 δ=42.55πZ0Z0=42.55πδ
一方で半波長体ポールアンテナの特性インピーダンスは Z0=138log10λ2d でかけるので 138log10λ2d=42.55πδ138log10λ2×10×10−3=42.55π×0.0327λ2×10×10−3≃3λ2×10−3=103λ=20 となります。 そのため求める周波数fは f=15[MHz] です。
以上から答えは1です。
R.6.1 無線工学B A-3

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R6年1月 無線工学B A-3
微小ダイポールアンテナの実効面積に関する問題です。
この問題は全く同じ問題が令和3年7月2回目A-5で出題されています。
下記の記事をご参照ください。

答えは
- A:最大電力
- B:0.08λ2Ga
- C:0.12λ2
で2です。
R.6.1 無線工学B A-4

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R6年1月 無線工学B A-4
パラボラアンテナから放射された電波の電界強度の計算問題です。
この問題は同様の問題が令和3年1月1回目A-4で出題されています。
計算方法については下記の記事もご参照ください。

電力密度はPd=E2120πなので、 E=√120πGIPT4πd2=√30×0.6×1013×103×π×20.1=0.065[V/m]=65[mV/m] となります。
以上から、答えは5です。
R.6.1 無線工学B A-5

出典:公益財団法人 日本無線協会 第一級陸上無線技術士 R6年1月 無線工学B A-5
自由空間内の電波の偏波に関する問題です。
この問題は全く同じ問題が令和3年7月2回目A-1で出題されています。 また一部を変えた類似問題が令和5年1月2回目A-1でも出題されています。
下記の記事をご参照ください。


答えは
- A:π
- B:π/2
- C:直線
- D:円
で4です。
まとめ
今回は令和6年1月の無線工学Bの試験A-1~A-5の問題について解説しました。 一陸技は過去問と類似または全く同じ問題が出題されやすい試験ですが、今回は少し古い令和3年あたりの問題が多かった印象です。 過去問を数年分解いておくだけでかなりの対策になります。
参考文献
電磁気学をちゃんと学びたい人向け
上の難易度が高い人
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