アマチュア無線などをきっかけに上位の無線従事者資格を取りたいと思う人も多いのではないでしょうか? 上位資格だと無線工学の難易度も上がってきます。 無線工学では必須の基礎方程式であるMaxwell方程式ですが、 アマチュア無線を少しかじっただけの状態で見ると面食らうと思います。 最上位資格の1つである第一級陸上無線技術士では「無線工学B」の1問目に必ずと言っていいほどMaxwell方程式の問題が出てきますが、 無線工学の基礎ではこの方程式については触れられません。 この記事を読めば無線工学BのMxwell方程式がサービス問題だと思えることを目指します。
Maxwell方程式って何?
まずはMaxwell方程式を出しておきます。
div→D=ρdiv→B=0rot→E+∂→B∂t=0rot→H−∂→D∂t=→i
Maxwel方程式は4組の方程式系となっています。記号の意味
divとrotはそれぞれ発散と回転を表します。 どちらもナブラ演算子→∇を使った演算で、発散は内積、回転は外積です。 →∇=(∂∂x∂∂y∂∂z) この記事を参考にしてください。 https://jr2kcb.com/archives/412 divやrotと→∇を使った表記の書き換えが出ている年もあるのでこの対応は覚えておきましょう。
→E,→D,→H,→Bはそれぞれ電界、電束密度、磁界、磁束密度を表します。 誘電率ϵ、透磁率μの物質中では次の書き換えが可能です。(真空の誘電率ϵ0、透磁率μ0を使うことも多いです。) →D=ϵ→E→B=μ→H 4つの変数を使って表記することもありますが、→Eと→Hまたは→Eと→Bの2変数で表すことが多いです。 第一級陸上無線技術士では→Eと→Hを使った表記が多いようです。
次にそれぞれの式の説明を書いていきます。div→D=ρ,div→B=0
この式はGaussの法則と呼ばれています。 意味合いとしては電荷から出る(流入する)電気力線の数とその電荷が等しいということになります。 磁界についても同様の式が成り立ちますが、単磁極はこの世に存在しないのでρに相当する部分がゼロとなります。
詳細は下記で解説しています。

rot→E+∂→B∂t=0
この式はFaradayの法則と呼ばれています。 この法則は電磁誘導を表すもので、コイルを貫く磁界の変化が起電力になることを突き詰めるとこのような形になります。
詳細は下記で解説しています。
rot→H−∂→D∂t=→i
この式はAmpere-Maxwellの法則と呼ばれています。 電流が作る磁界と電流の関係を表す法則です。 Ampere(アンペア)の法則に変位電流と呼ばれる項を追加して拡張した法則です。
詳細は下記で解説しています。
まとめ
今回はMaxwell方程式の4本の式ついて解説しました。 4つの式をまとめた方程式系でそれぞれの意味を理解しておけば、問題が出てきても焦らなくなれると思います。参考文献
電磁気学をちゃんと学びたい人向け 上の難易度が高い人次回予告
次回はコンデンサの話を書きたいと思います
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